30話 蝕む闇に近づく者へ
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「だとしても進むしかない。せめて慎重に行こうぜ」
「おや、あなたらしからぬ台詞ですねぇ」
警戒を怠らず先へと足を進める。セフィロトが目的なのだから敵がいるからと言って引き返すわけにはいかない。それに茶茶を入れるジェイドにルークがうるせっ、とムッとして返す。強く返せないのは過去のことがあるから。
「ルーク。ジェイドさんはね、余計な一言を言わないと人を褒められないんだよ」
「そ、そうなのか?」
「……馬鹿なことを言わないで下さい」
私の言葉を信じたのかルークは大きな目を瞬きさせる。ジェイドに褒められてると思った彼の頬はうっすら赤い。めったにないことだから疑い半分だけど嬉しさと照れも入ってるみたい。期待の眼差しで彼を見ればジェイドは逃げるように先を歩きだした。
「真咲……ある意味すげぇな…」
「まともに相手するより、逆をつけばいいんだよ」
上辺のみの褒め言葉は慣れてるだろうけど、純粋な思いで言われたり逆に褒めるための理由を適当付けられてしまえば、自分の思惑とは外れてしまうからいつも誤魔化してその場から消える。
「俺、すぐに真に受けちまうからな」
「それはルークが素直でいい子だからだよ」
ジェイドもルークがあの時とは変わってきてることはわかってる。けど素直には認められないよね。あんな姿を見たら。改めてよく考えてみればルークはヴァンの傀儡だった。けして自分には逆らわない操り人形だった。全てはヴァンの手のひらの上だったとは認めたくないのもあるんだろうな。
「しかし……帰りに橋がなくなってる……なんてのはごめんだがな」
「やなこと言わないでよ~!」
先に行くジェイドを追い掛けつつ先へと進み始めたけどさっきのような地震がまた起こって橋がなくなるって事も否定はできない。