30話 蝕む闇に近づく者へ
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「そうですよね……私一人がって訳じゃないです。私自身について色々話がありすぎてちょっとパンク気味だったみたいです」
「おや?今に始まったことではないと思いますが」
まさかまさかの話に焦ったんだ。まさか自分がなんて次から次へと出てくる真実に付いていけなくなってるだけ。と少し自分を落ち着かせれば、彼からの余計な一言。普通なら怒るところだけど、気を使わせたと思うと怒るに怒れない。全く、もう少し素直に慰めて欲しいものだ。
「あとでゆっくり内容は纏めます。そう遠くないうちにイオン様にも会うことになりますし」
けしていい意味ではないけど。それでも進まなくちゃいけないから。気分も憂鬱になる。アッシュではないが眉間に力が入る。
「先は長いですよ。ゆっくり考えなさい」
私の頭にぽんと手を置いて先を行くジェイド。ちょっとしたことが嬉しくて悔しい。全く人の苦労も知らないで……と思うのは自分の勝手なわけで。なんでこの人を好きになったんだろう。
「これも考えでも仕方ないかな」
先を急ぐ旅。けど考えれる時間はいくらでもある。まずはエンゲーブやケセドニアのことを考えよう。
「はうっ!?」
前に一度来た道を進む私たち。その途中でぐらりと地面が揺れる。
「橋が揺れてる?」
「……橋だけじゃないわ。この地下都市全体が揺れているみたい」
今渡っている橋が揺れているのではなくこの遺跡自体が揺れている。ジェイドも微弱だけど譜術を感じるという。それはあまりに微弱すぎて私はともかくティアたちも感じられないと。
「罠か?それとも……」
「敵ですの?」
ただ揺れるてるだけなら地震だと思うが譜術も感じるというなら何かあるのではと疑いを持つ。辺りを警戒しつつ見回す。どこかに隠れているかもしれないから。