30話 蝕む闇に近づく者へ
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「……今は外殻大地を無事に降ろすことだけを考えようぜ。それにアッシュだって外殻大地を消滅させようなんて、考えないはずだ」
「そうね……こうしている間にも、事態は進んでいるんだものね」
沈黙が流れる中、ルークがアッシュの事をどうこう言っている場合じゃない。目先のことをまず片付けるのが先決だ。それは確かに間違いない。
「どうしたの~?ちゃっちゃっと終わらせよ~」
「はは……アニスみたいにしているのが、今は一番なのかもな」
一人先に進んでいたアニスがなかなかついて来ない私たちを迎えに来たのかまた戻ってきた。私たちの会話の内容を知らないアニスは大きな目をぱちぱちと瞬きさせる。一番彼女が冷静なんじゃないかって少し吹き出してしまった。
「それで、オアシスでのことですが」
私の隣を歩くジェイドが前を向いたまま、けど私にしか聞こえないくらいの声で訊ねてくる。オアシスでのこと。私がアッシュから聞き出したことを聞きたいんだろう。あとで話すと言ったのは私自身だから忘れてたわけでもないし話さないわけでもない。
「アッシュもイオン様やモースほど詳しくは知らないようです」
広い遺跡の中では声を少し大きくしただけで反響してみんなにも聞こえそうだとハラハラはするけど未だ歌いながら先を進むアニスのおかげでその様子はない。ただその歌声で魔物まで呼びそうな気がするのは思い過ごしだと言い聞かせよう。
「……被験者イオンから……は少し聞いてると」
「イオン様のオリジナル、ですか」
まだこの事はみんな知らない。イオンがあの場所で自ら告白するまでは私からは当然話す気はないけど。ジェイドもまさか被験者のほうの名が出るとは思わなかっただろう。もしくは私のことが書いてあったというユリアの日記や隠蔽預言。どちらも被験者イオンはその存在を知っていた。そう言うことだろうな。