30話 蝕む闇に近づく者へ
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堕とされるだけが全てじゃない
募る不安に
私は立ち向かえるのか
あの夢が
私を闇へと堕とす予感
「パッセージリング~パッセージリング~」
緊張感のない歌声がする。それにナタリアが溜息を吐く。何とも和むというか何て言うか。
「あ、先に進む前に」
この遺跡の中が暗いのは変わらない。足元が危険なのも変わらない。私の発言にうん?とみんなが振り返る。
「無数の光よ」
杖を召喚し一言、言葉を紡ぐ。青白い幾つもの光が辺りを照らす。足元が見える程度の明るさになる。
「真咲、大丈夫なのか?」
「これくらいはね」
心配そうにちょっと泣きそうになるルークに大丈夫だよと笑ってみせる。ルークの心配性が一段と増している気がするのは気のせいじゃない。たぶんケセドニアの一件がルークやみんなに心配を掛けている。モースが余計なことを言わなければ半分、新たな情報を得られたこと半分。怒ることも喜ぶことも出来ない。
「……それより、アッシュの言葉をそのまま信じて大丈夫なのか?」
「アッシュのことを信じられませんの?」
まだアッシュへの不信感が消えないガイの言葉に反応するのはやはりナタリア。信じられないと言うわけではない。罠ではないという保証はないと首を振るとそれにはティアも同意を示す。
「パッセージリングの性質を考えても、情報は正しいものだ思いますよ」
アッシュはアッシュの目的と意図があって利用していると続ければそれにはみんな黙り込む。情報は間違いはないが利用されている以上は何らかの罠に類似したものはあるだろう。自分で全てに対して動けないのも確かだけど、私たちが動いてくれるなら助かると思うところもあるのだろうけど。