29話 暗闇に落とされても明けぬ夜はない
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「ですからわたくしたちはセフィロトの吹き上げを利用して、ケセドニアを安全に降下させるつもりですの」
わかっている。だけど見捨てるわけにはいかないから自分たちの出来ることをする。今はその途中だ言うナタリアの言葉を聞いてアッシュはジェイドの方を見る。
「……そんなことができるのか?」
「さあ?」
半信半疑な面持ちで問えばジェイドはわざとらしく肩を竦める。それに食えない野郎だと舌打ちをして、その話が本当なら戦場も同じ方法で降下できるんじゃないか?と更にアッシュが問う。
「でもシュレーの丘に行くのが間に合うかどうか……」
「間に合う。そもそもセフィロトは、星の内部で繋がっているからな。パッセージリング同士も繋がっている」
休眠しているリングを起動させれば遠方からでも操作できると。
「ザオ遺跡のパッセージリングを起動させれば、すでに起動しているシュレーの丘のリングを動かせる」
「……ヴァンはそう言ってた」
ジェイドが話を纏めると言いづらそうに間を取ってからそう言った。ヴァンの名前が出ると僅かにだけどルークの表情が硬くなった。気にするな、っていうのも無理なのかもしれない。そんな簡単に吹っ切れないよね。
「アッシュ!どこに行くのですか」
「俺はヴァンの動向を探る。奴が次にどこを落とすつもりなのか、知っておく必要があるだろう」
ルークを押し退けてこの場を去ろうとするアッシュを呼び止めるナタリア。私たちが大陸を上手く降ろせれば自分はここでくたばる。自暴自棄とも取れるような発言をするアッシュ。
「約束しますわ。ちゃんと降ろすって!誓いますわ」
「指切りでもするのか?馬鹿馬鹿しいな」
約束のことを覚えてるのに、先のことを考えて悲観的になっているアッシュはそう言い捨てる。