29話 暗闇に落とされても明けぬ夜はない
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「この辺りにもパッセージリングがあって、ヴァン謡将がそれを停止させたってことか?」
「それならザオ遺跡ですわね」
ケセドニア付近でパッセージリングがある場所と言ったら前にイオンが浚われた時に連れて行かれたザオ遺跡。確かにあそこで扉を開かせていた。
「くそ、どうする?今からでもセフィロトツリーを復活させれば……」
「いえ、それは無理だとテオロードさんも言っていました。ですが……」
ケセドニアが崩落するとわかると焦りを露わにするルーク。冷静な判断が出来なくなっている。言葉を濁すジェイドの口から出たテオロードさんの名に少々トラウマになっているのか思わず自分でもわかるくらいに顔を歪める。でもそれをみんなには見えないように顔を背けて。
「大佐!何か考えはあるんですか!?」
もし手だてがあるのならと期待の声を上げるアニス。
「いえ、ツリーは再生できなくても、セフィロトが吹き上げる力はまだ生きている筈です」
「それを利用する。と言うことですか?」
昇降機のように、と私が知っているのは向こうもわかっている。けど彼の言葉を引き継ぐというか、みんなから見れば即座に理解したと思えるように言う。ジェイドも特に何も言わずただ、そうですと頷く。
「パッセージリングは操作できるでしょうか」
「こればかりはわかりません」
「行くだけ行ってみよう。このままだと崩落を待つだけだろ!」
問題はそれが出来るかどうか。これから使用としているものは二千年も前のもの。そんな簡単に扱えるのかはジェイドにすらわからない。が、ここでそれを言っても考えても仕方ない。
「お話が見えないのですが……」
一人蚊帳の外になってしまったアスターが首を傾げる。いきなり目の前でセフィロトやらパッセージリングやらと言われても普通の人にはわかることではない。