29話 暗闇に落とされても明けぬ夜はない
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「エンゲーブの住民を受け入れることでしたら、先ほどイオン様から依頼されました。ご安心を」
私たちの頼みを一緒に戦場を駆け抜けてきたエンゲーブの住民の保護だと思ったのかすでにイオンから承っていると。それにはルークも安堵の息を吐く。
「ところで、ザオ砂漠で何かあったのか?」
「これはお耳が早いことで……ちとこまったことになっております」
近頃の地震のせいかザオ砂漠とイスパニア半島に亀裂が入って、この辺りが地盤沈下が起こっていると。事は滞りなく、狂いなく進んでいる。
「それって、もしかしなくても!」
「ケセドニアが崩落してるんだわ……!」
それを聞いたアニスとティアが声を上げると同時にアスターの部下が部屋に入ってきた。
「戦局報告です!11時32分、キムラスカ軍がエンゲーブに到着しました」
「やれやれ、移動しても残っても、エンゲーブの住民は危険にさらされる運命だった……」
ケセドニアに住民が辿り着いて間もなくキムラスカ軍はエンゲーブに到着した。けど、せっかく危険を冒してここまで来たのにこのケセドニアも崩落の危機が訪れていた。
「ノエル……間に合ったかしら」
それは祈りにも近い言葉。もし住民を乗り込ませている最中にキムラスカ軍が到着してそれを発見されたら。そこに関しては大丈夫だろうけど。
「ご苦労。引き続き状況を監視せよ」
報告を終えた部下の男性は一礼をして部屋から出ていった。
「今しがた、ケセドニアが崩落すると仰いましたが?」
「アクゼリュスやセントビナーと同じことが起きてるってことだよ!」
この街も崩落する。その事実にさすがのアスターも顔色を変えた。今は戦争中とはいえ両国の国民が同時に暮らす唯一の街。エンゲーブの住民も逃れてきたくらいだ。逃げ場などないとアスターが肩を落とす。