29話 暗闇に落とされても明けぬ夜はない
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「そこ、通れそうじゃないか?」
如何にもいう風に扉の前に立つ店員。マルクト側とキムラスカ側に別れた扉。ここを使って通り抜けようとする者は少なくないのだろう。
「ここを通りたいなら合い言葉を言いな」
私たちのが彼の前に行くとその目的が言わずともわかっているからか無表情にそう告げる。
「んだよ、うぜーな」
「うざかろうとなんだろうと、知らないなら通せないな」
扉を通るのに何故、合い言葉など言わなくてはならないのかとルークが訝しげな表情を浮かべ、久々な口調でそう言うが店員は顔色一つ変えずに、この先は通す気がないと首を振る。
「ぐへへ。合い言葉を買わないか?」
「あ!おまえら!」
どうしようかと倦ねいていれば後ろからの声。誰だかわかっていはいるが一応みんなと一緒に振り返る。そこには漆黒の翼の三人。ノワール、ヨーク、ウルシーの姿。
「あらん。いつかの坊やたちかい」
「あ……あんたたち!イオン様を誘拐したり、こんなところでお金儲けしたり、何考えてんのよ!」
相変わらず体をくねくねさせるノワールにアニスが指をさす。すればノワールがお金が大好きなんですもの、と微笑めばアニスも私だって大好きよっ!と負けじと叫ぶ。いやいやそういうことじゃないんだけどね。正直なアニスは可愛くて好きだけど今は違うような。みんなも呆れてるし。
「……オイオイ。それより漆黒の翼さんよ。一体いくらで売るってんだ?」
「七人でがスから……」
「ミュウもいますの!」
このままではアニスとノワールの喧嘩が始まると察したのかガイが交渉を促す。ウルシーが人数を数えているとミュウが手を挙げて割り込む。あ、忘れてた。話上はいいんだけど……まあいいか。可愛いし。ただその後が可哀想だから先に避難させておこうとそっとミュウを抱き上げる。