29話 暗闇に落とされても明けぬ夜はない
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……崩れる金色
何が何を打ち砕くのか
たとえ偽りだろうとも
真しやかに見えたのなら
今は……
進むべき時
「……あれは!」
エンゲーブの住民が全員無事に街に入るのを確認し私たちもノエルが戻っているかを確認するために街の中へと入る。そこに現れたのは別行動組のナタリアたちだった。この先に起こることを思うとやるせなくなる。避けては通れない道。今は辛くても……
「ルーク!」
「どうしてここに!?停戦は一体……」
数日ぶりに全員が顔を合わせた。互いに疲労が伺えるのは戦線を潜り抜けてきたからだろう。けど各々の無事な姿には安堵の息を吐く。
「総大将のアルマンダイン伯爵が、大詠師モースとの会談のためにケセドニアへ向かったと聞いて」
ここまでやって来た。そう言うナタリアにさすがのジェイドとティアも驚きの表情を浮かべる。更に驚愕の表情を浮かべたのはルーク。
「せ、戦場を突っ切ったのか!馬鹿かおまえっ!危ねーだろ!」
「あ、あなただって同じことをなさったのでしょう!?」
似たもの同士というか何というか。『血』は違えどもそれにも同じ様にそっくりだ。でも互いが互いを心配してのことだから仕方ないかも知れないけど。声を荒げる二人にガイが落ち着けと諭すように言う。
「そうですよ。この街に停戦の重要人物がいるんです。ここで言い争う前に話し合いに行きましょう」
「あ……そうか。そうだな。そっちの方が重要だもんな」
エンゲーブの民を引き連れて戦場を抜けてきた私たちが言えた義理じゃないけど、一国の姫と教団の最高指導者がマルクト、キムラスカの両軍どころか神託の盾騎士団まで対峙する戦場を抜けたのだからルークが声を上げるのもまぁ無理もない。
ともかく、まずはアルマンダイン伯爵に会う……それからだ。