28話 その手を汚すのは…誰が為?
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「やっと到着か……」
ローテルロー橋を渡ってからは神託の盾騎士団の脅威が怖いところだったが、今回もよほど運がいいのかあの二日目のキムラスカ兵との戦闘以降、人間との戦いはなかった。そして、無事にケセドニアへ到着。
「死傷者はありません。まあ、転倒して怪我した人などはいますがね」
「それは私も入ります?」
気を付けて歩きすぎて目の前の木に気付かなくて、あっと気付いて避けようとしたけど木の根に思い切り足を引っかけて間抜けな格好で転んだ。それを大笑いしたルークにはもちろん制裁は加えて。
「いえいえ、にしても。よかったですね。本当によく頑張りました」
「いや、ジェイドやみんなが助けてくれたから」
無事に到着できてルークにもようやく安心したのか肩をおろした。村の住人からも礼を述べられ、ここは一先ず、と言ったところだけど私は。
「真咲?どうかしましたか?」
「……少し、憂鬱です」
ここまで来れば、安全。あとはこの戦いを止めに行ったナタリアたちと合流すればいい。そうみんなは思っているはずだ。けど先を知っている私には溜息しか出なかった。
「もっと、辛い現実が……待っています……」
それだけ、一言呟いて私も街へと重い足を進めた。ジェイドの言葉を待たずに私は……ルークたちを追った。ここまで来てしまった。もう歩む足を止めることは出来ない。
再び、血塗れた
街の人を守るため?
私自身のため?
悲劇の先の悲劇……
逃げることは許されない