28話 その手を汚すのは…誰が為?
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「でも預言がまだ十年続くと詠まれれば、戦いはそれだけ続くのでしょう」
家族の生死がはっきりしない。本来の物語では彼女の旦那さんと子供。パイロープさんとジョン君は死んでいる。しかし、私の魔術で大半のアクゼリュスの住民は助かった。ケセドニアに行かなければはっきりとしたことがわからない。原作よりは自暴自棄気味なことはないけど、やはりこの数日間の戦場の駆け抜けに疲れてるようだ。
「……十年続くと詠まれても……続かせてはいけないと思います」
「……ティア……」
それが詠まれている事とはいえ戦争などあってはならない。今までのティアならたとえそうだろうが預言に詠まれているなら仕方ないと言うだろう。けど違った。彼女の変化にルークが驚かされた。
「……ダアトの方なのに、恐ろしいことをおっしゃるのね」
でも、戦争が早く終わればいいと思うと最後にティアへ礼を述べて野営地へと戻って行った。
「……ティア。変わったな。いいのか?」
去っていったミリアムさんを見送った後、ルークがティアへと振り返る。以前までの彼女なら考えられなかったことだから。
「……預言から外れるなんて、本当は怖いわ。でも……真実を知ってしまった以上、預言に依存するのはもっと怖い」
「そうでしょうね。複雑な心境なのは、私にもわかりますよ」
何も知らないままだったら否定などしない。けど内容によっては隠されてしまう預言に依存することは考えきれないほどの恐怖を持っている。それを……皮肉にもアクゼリュスの一件で知ることになった。
「私は……元々、預言を知らないから…その感覚がわからないな」
「でも普通の人は、ホントに預言に依存してるんだな」
私同様に預言に触れることなく生きてきたルークもそれがよくわからないと答える。そうして生きた来たジェイドは預言は生活の一部だと……複雑な心境を言葉にした。
明日を切り抜ければ、ケセドニアに辿り着く。そうすれば少なくとも、エンゲーブの住民は助かる。