28話 その手を汚すのは…誰が為?
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「ケセドニアはもう目と鼻の先ですよ」
エンゲーブを発って三日目。二、三度ほど魔物との戦闘はあったけど、キムラスカ兵との戦闘はなかった。これは大事には至らず怪我人もなく無事三日目を終えれそうだ。
「ああ。ここまで怪我人を出さずに来たんだ。この後も……」
「そうですね。最後まで気を引き締めていきましょう」
あともう少し。あと一日乗り切ればケセドニアに辿り着く。油断は出来ないけど、ここまで来たんだ。全員無事に辿り着きたい。
「もうちょっと……頑張ろうね」
「ああ、そういや。真咲、夕べ……」
昨日、ジェイドとの一件で落ち込み気味だったルークの肩をぽんっと叩く。一晩で気持ちを切り替えられた彼の表情には笑顔が見られた。よかった……と安堵の息を吐く。
「昨日はありがとうございました」
「あ……あなたは……」
ルークが何かを言いかけたとき野営地から一人の女性が現れた。声を掛けられ一斉に彼女に顔を向けると女性、ミリアムさんは一瞬驚いたように目を開いたが優しく、にっこりと微笑んだ。
「ティアさんのおかげで足の調子がよくて、今日は無理なく歩けましたわ」
「いえ、治癒術師として当然のことです」
にこやかに言うミリアムさんにティアはいつものように返す。この年で、と言うことなのか軍属となる神託の盾騎士団に所属しているティアをその両親を心配する言葉をミリアムさんが掛ける。けどティアはもう両親は亡くなっていると返せば、彼女は表情に影を落とし謝罪する。
「本当に、預言はいつ戦争が終わると伝えてくれるのかしらね」
「預言は……いえ、預言がどうあろうとも、戦いは終わらせなければなりません」
戦争に踊られるされるのは何時だって一般人。それに溜息吐きたくなるのは仕方ない。けど預言が絶対なのは変わらない。