4話 見えない不安
夢小説設定
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「紅蓮の炎よ!」
短い言葉を紡いで、杖の先端で床を叩けば、杖から拳ほどの大きさの炎が譜石に向かって飛ぶ。私の意志通りに。炎は天井の譜石に当たり、爆破したように光る。
「―なっ!!」
急な光にラルゴは目が眩み、腕で顔を庇う。その瞬間をジェイドとアニスは見逃さない。
「今です!アニス、イオン様を」
「はいっ」
躊躇なく走り出すアニス。
「落ち合う場所はわかりますね」
「大丈夫」
一瞬で交わされる会話。ラルゴはアニスに向かって鎌を振ろうとするが。でも、アニスは止まらない。なぜなら。
―――ざしゅっ!!
肉を刺す音。アニスが走り出すと同時にジェイドも走り出し、いつの間にか出した槍をラルゴの腹部に刺したのだ。ルークの目の前で。私も杖を握り締めたまま、その光景を見つめていた。死んでないのは分かっているが、流れ出る血の臭いが気持ち悪い。ルークも目が離せないでいた。