28話 その手を汚すのは…誰が為?
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「アクゼリュスを滅ぼした大罪人を信じようというマルクトの民がいるのならば、教えて欲しいものです」
「ジェイドさん!言い過ぎです!」
わかってる。わかってはいる。頭の中ではわかっている。けど、そんな言葉が聞きたいんじゃない。
「……なら、私も大罪人ですね。知っていて、黙っていて……結果、崩落させてしまったのだから……」
「……真咲……俺、少し頭冷やしてくる」
ルークにはきっと私の言った事の本当の意味はわからないと思う。でも、ジェイドならわかるはずだ。全てを知っていてなお黙っていた。崩落は止めるつもりだった、けど止められなかった。そんな私の方が大罪人だよ。右目と引き替えに何千もの住民の命を救うことは出来た。けれど街は失われ亡くなった人がいたのも事実。
「…あなたって人は……少し言い過ぎましたかね…」
「私よりルークです。人一倍、責任を感じて神経をすり減らしてるんですよ?」
そんな状態であんなことを言えばルークは負の感情に襲われ、悪い意味での緊張感に包まれ気負いすぎてしまうかもしれない。アクゼリュスの件に関してはルークだけの責任じゃない。
「あなたには敵いませんね……おや?」
眉を下げてふっと笑みを見せる。どう敵わないのかはわからないけど。結局は自分を庇護するようなことを言ってるだけなのに。だから何だか私の方が居たたまれない気持ちになってジェイドの顔を見れないでいた。自分が悪いと言っておきながら、彼を責めるようなことを言ってるんだから。
「真咲」
名を呼ばれたけど、やっぱり顔を見づらくて、でも返事をしないのも変だし。目線をぐるぐると変えてどうしたものかと考えたのちに意を決するかのように小さく、はい。と返事をして顔を前へと向ける。そして、そのまま思考が、体がピシッと固まった。