28話 その手を汚すのは…誰が為?
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「霧島少佐!大丈夫ですか?」
「私は平気です。それより住民は?」
「安全圏まで避難しました。カーティス大佐の部隊と合流しています」
戻ってきた二人の兵は、ジェイドらに住民を任せて戻ってきたという。それに礼を述べて、先に進もうと促し二人の兵士を先に行かせる。消し炭へと消え去ってしまったキムラスカ兵を一瞥し、誰にも聞こえない声でもう一度、ごめんなさい。そう呟いた。
「真咲!戦闘になったって聞いたけど、大丈夫か!?」
夕方にはルークらとも合流すると、どこで聞きつけたのかルークが真っ先に駆け寄ってきた。どこか怪我してないか?とか体中を上から下まで見回す彼に、怪我なんてしてないよ。と笑って返す。
「住民にも怪我なくてよかったわ」
「真咲の的確な判断のおかげですね」
日もすっかり暮れ、今日はここで野営をすることとなった。
「やっと半分は越えたな……」
予定よりは進んだけどそれでも少しだけ。状況に変化はない。致し方ないと言えば仕方ないけど、気持ちばかりが焦ってしまう。
「すみません。こちらに治癒術師か、或いは傷薬の予備はありますでしょうか?」
一息ついたところに現れた男女二人の村人。男性の方の問いにティアが私も治癒術師ですと名乗る。
「負傷者ですか?」
「いえ……私が足を痛めてしまって……」
もう一人の女性。この人は……あの子の。そうだった、自分のことや目先のことでいっぱいでこの事に頭になかった。
「あなたは……?確か女の人はアルビオールへ行くようにって……」
今徒歩でケセドニアに向かっているのは全部男性だけのはずなのに。何故女性がいるのかと聞けば彼女、ミリアムさんは自分より他の人をと願い出たらしい。それにルークが悲痛な面持ちを見せる。