28話 その手を汚すのは…誰が為?
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「二手に分かれたらどうだろう。エンゲーブの様子を見る班と、カイツールで停戦を呼びかける班と」
戦場が崩落するとわかっていて放っておく訳には行かない……ううん。死んでしまうとわかっていて、ヴァンの狙い通りになるとわかっていて多くの命を散らせるわけにはいかない。このルークの提案に異議を唱える者は当然いるはずもなく皆頷く。
「……エンゲーブには私が行くべきでしょうね。マルクト軍属の人間がいないと、話に進まないでしょう」
「私もジェイドさんに同行します。一応、マルクト軍所属ですし」
エンゲーブはマルクト領……今の状況を考えれば行くならマルクトの人間がいい。私も同行すると言った瞬間、アニスがニヤリと笑ったがすぐさま理由を述べればぶーっと頬を膨らませた。
「アニース。私がこの格好でカイツールに行ったら即捕虜になるか殺されるかだよ」
それでもいいの?ちょっとわざとらしく言えば、冗談だよぅ!と怒ったような焦ったような声を上げる。意地悪が過ぎたかな?けど言い出しっぺはアニスなんだからね。そう頭を撫でてあげれば、うん、ごめん。素直に謝ってくる。可愛いな、もう。
「わたくしはカイツールに参りますわ」
「僕はどちらでも構いません。ちょっと考えがあるので」
残りのメンバーを見回しガイが最後に見たルークにおまえはどうする?と問う。したらルークはエンゲーブの人には世話になったからエンゲーブに行くと選ぶ。ここばかりはルークの意志でしかどうにもならないけど、こっちを選んでくれて何か嬉しい。
「私もあなたと一緒に行きたいわ……見てないと心配なんだもの」
「まずはカイツール付近で、ナタリア組みを降ろしましょう。その後私たちはアルビオールで、エンゲーブに向かいます」
エンゲーブ組はルーク、ティア、ジェイドと私。カイツール組はナタリア、ガイ、アニスにイオンに分かれた。
「それでいい。みんな、行こう」
メンバー分けを済ませた私たちはノエルに操縦を任せ、まずはカイツールへと向かった。このあと……みんなには予想だにしなかったことが起こることは言えずに別れることになった。