28話 その手を汚すのは…誰が為?
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私の手は……
再び穢れるだろう
己が為ではない……弱き人の為…
それでも赤へと穢れるだろう
崩落の驚異がルグニカ平野にエンゲーブに迫っているということで私たちはアルビオールで外殻大地へと戻って来た。その緊迫した中、私の頭の中はまだユリアシティでのテオロードとのやり取りの一件と何故か私の体を侵した瘴気のダルさで一杯だった。けどそれを誰にも悟られてはいけない。私なんかのことでもうみんなに心配を掛けるわけにはいかない。誰がどう許そうが私は罪人なのだから…
「どうして……!どうして戦いが始まっているのです!?」
外殻大地へ上がってすぐにルグニカ平野に向かうと眼下に広がるのはすでにキムラスカとマルクトの両軍が抗戦を繰り広げている姿だった。この時点で大勢の人間が死んでいるに違いない。
「これは……まずい。下手をすると両軍が全滅しますよ」
「……あ、そうか。ここってルグニカ平野だ。下にはもうセフィロトツリーがないから……」
ジェイドが眉を寄せ顔を顰めるとハッとしたようにアニスが顔を上げる。ルークがアクゼリュスのセフィロトツリーを消してしまったから、それを私が止められなかったから……この辺り一帯は崩落してしまう。
「これが……兄さんの狙いだったんだわ……」
「どういうことだ?」
セフィロトツリーがない。ルグニカ平野は崩落する……それぞれを繋ぎ合わせれば出てくるヴァンの思惑。どうしたら何万もの人間を消すことが出来るのか。それに気づいたティアが顔色を変え眼下の戦場を見下ろす。
「……ヴァンは…外殻大地の人間をすべて殺すつもりだよ…」
ティアが口を開くより先に私が戦場を見下ろしたまま口を開いた。ティアはえっ、と目を見開き、ジェイドを含む他のみんなは意味が分からないといった風に驚愕の表情を浮かべる。