27話 廻り巡る記憶の水面
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「……おい。ここのセフィロトは、ルグニカ平野のほぼ全域を支えているって書いてあるぞ。ってことはエンゲーブも崩落するじゃないか!?」
天井に書かれた警告文を読み上げるガイ。それにアニスがマジヤバな感じですよね?と言い方はともかく一刻も争うといいナタリアが外殻へ戻ってエンゲーブの皆さんを避難させましょう!と言い、それに私たちは頷いた。
「……ティア。どうかしたのか?」
「少し疲れたみたい……でも平気よ」
エンゲーブに向かうためにセフィロトを後にしようと各々が踵を返そうとすると俯いていたティアにルークが声を掛ける。が、ティアは自身の体が瘴気に冒されたことなど言わずに何でもないと首を振り歩き出す。
「君も無茶はしないでくれよ」
ぽんっと頭に手を置かれ、それはてっきりいつものようにジェイドだと思って文句でも言ってやろうと顔を上げればそれはガイだった。
「……えっ……ガイ?」
言われた言葉に驚くよりガイが頭とはいえ私に触れたことに驚いた。もう一人、私の後ろで同じ様に驚いていたのは気付かなかった。不幸中の幸いなのはアニスが見ていなかったことなんだけど、実はそれは些細なことだった。後にそれがどう響くのか今はそれに気付かず、ただ先を進むだけ。
「……私は……」
それぞれの交差する想いに私はどうすればいいのだろう。今為さなくては成らないのはエンゲーブの住民を救うこと。そしてその先にある落ちるべき現実へと向かい始めるだろう。
見えたもの
聞こえたもの
どれが真実でどれが虚偽なのか
巡った過去は何を物語る?