27話 廻り巡る記憶の水面
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「何だかルークじゃないみたいですわね」
「いいんじゃないの。こーゆー方が少しは可愛げがあるしね」
今まで、一番近くでルークを見てきたナタリアがその変貌ぶりに何とも言えない息を吐く。それにガイがちょっと皮肉じみたような言い方で返す。
「あなたはルーク派ですものね」
「別に違うけどね。ナタリアだって、アッシュ派って訳でもないんだろ」
ベルケンドでのやりとりじみたことを話す二人の側に寄る。分かっているとは思うけどそんな風にまだ口に出しているってことは気にしてるってことでしょ?
「はいはい。ルークは変わり始めてるの。ルークもアッシュも元々ないでしょ?そう言うことを口にしないの」
言葉の取り方によってはルークが気にするでしょ!と諫めるように言うと二人は顔を合わせ罰の悪といった表情をする。今まで過ごした物は消せはしないけど目の前の現実を素直に受け止めてあげればそんなものは関係ないはず。一番近くで見た二人だから尚更。
「……わたくしにはどちらかなんて選べませんもの」
「それでいいんだよ」
ルークはルーク。アッシュはアッシュ。たとえレプリカと被験者とはいえ育った環境はまるで違う……ううん。元は同じだったかもしれない。でも違うんだ。だから違うものを同じ人間として選べるわけがない。
「君には敵わないよ」
お手上げだ…みたいに両手をあげるガイにそう?と微笑み返すと同時にアニスが大声を上げた。
「あーっ!待って下さい。まだ喜んじゃだめですよぅ!あの文章を見て下さい!」
パッセージリングを操作してセフィロトから記憶粒子が発生し始めたことで安堵していたみんなはアニスの言葉で再び天井を見上げる。先ほどの笑顔から一転。表情は険しいものへと変貌した。