27話 廻り巡る記憶の水面
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「訓練はずっとしている!それに、ここで失敗しても何もしないのと結果は同じだ」
「……そうね。その通りだわ」
何もせず、ただただセントビナーが沈む様を眺めるのは嫌だ。出来ることをしつくしてどうしようもないのならともかく、まずはやってみなければ意味がない。ルークの決意がティアにも伝わり彼女は力強く頷く。
「第三セフィロトを示す図の、一番外側が赤く光っているでしょう。その赤い部分を削って下さい」
「やってみる」
手に力を集中させ、ジェイドの指示通りに作業していくルーク。その様子を眺めたけど、先ほどの瘴気の件のせいか体が怠く一人後ろに下がり壁により掛かる。みんなルークの作業に集中しているから誰も気付かないと思っていた。
「真咲、どうかしたのかい」
声を掛けてきたのは同じく後ろの方にいたガイ。小声で話しかけてくれたせいか他のみんなは気付かない。
「……ん、ちょっと疲れただけ」
「ユリアシティを出るときから様子がおかしかっただろ?旦那には言えて俺らには言えないのかい?」
少し怒ったような、声のトーンも低くて表情も眉を寄せて目も細めている。どうしてガイがそんな風な態度を取るのか分からなくて思わず、えっ?と声を漏らしてしまう。ジェイドの名前が出たから余計にドキリとしてしまう。ユリアシティの件は確かにあの状態でジェイドとイオンと共に戻ってきたから尚更なのかもしれないけど。
「そんなことないよ……ジェイドさんは最近、過保護なだけだよ」
アクゼリュスのときやテオルの森で無茶したから心配してくれてるだけだよ。と小さく微笑んで見せたけどどうも納得してくれてないみたい。かと言ってジェイドやイオンの知る私の事情を話すわけにもいかない……まだ分からないことが多すぎるから。