27話 廻り巡る記憶の水面
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「ダアトにあったユリアの日記にはルーチェを裏切り者とは記してはいないですし、もしそうなら詠んだ預言を隠蔽などせずその時に何らかの対策をしているはずでは?」
険しい表情のまま、厳しい口調で一気に言う。この会議室に凛と響くイオンの声。静かな部屋でテオドーロが息を飲んだ音がした。ダアトに残る『ユリアの日記』……そんなものが存在していたことを知らないからか。にしても私がイオンが知らないことまで知っているということを知られているはず。ジェイドが説明したのかな。私が知っている全てを話したなら私とジェイド、そしてピオニーが導師イオンは『レプリカ』だと知っていることも教えたの?
「……しかし、導師イオン。これも事実です」
「二千年も前の人物がどう言ったなど今、分かるわけがありません」
「ジェイドの言うとおりです。何にしても真咲がこのオールドラントに現れることはユリアが残した『隠蔽預言』に詠まれています」
二人の言葉に眉を寄せるテオドーロ。そして小さな声で隠蔽預言?と呟く。そんなもの知らない、と言ったところか。アクゼリュス崩落などの預言は知っていても隠蔽預言は知らない。
「あなたが知らなくても仕方ありません。それは代々、導師のみに伝えられる預言なのですから」
テオドーロを一瞥したあと私の方へと向き直りにっこりと微笑む。まるで不安で覆われた私を安心させるかのように。
「そろそろ行きましょう。ルークたちも待っていますし」
「そうですね……テオドーロ。今後この話をするときは僕を通して下さい」
静寂の中、私はジェイドにもたれ掛かるかのように腕にしがみつきながら歩き、その隣をイオンが歩く。余程、顔色も悪かったのかルークたちと合流したときすごく心配された。一人で立っていられないのだから仕方ないのかもしれないけど。ユリアシティで待っているかとも聞かれたけど、これには首を振って拒否をした。こんな状態の私を連れていくことを了承したジェイドも不振がられたけど事情を話すことは出来ないから適当に誤魔化した。また……嘘を重ねる自分に嫌気がさす。