27話 廻り巡る記憶の水面
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「……ルー、チェ」
ああ、そう言うことだったんだ。あれはルーチェとユリアの……それが真実だというの?ならば私は……
「真咲!」
力が入らない。もう立っていられない……もう何も見たくない、聞きたくない。飛ばし掛けた意識の淵に感じるたのは誰かが落ち掛けた私の体を支える腕の力。ふわりと鼻に付いたは私を安心させてくれる香り。
「真咲?」
体に力が入らないまま、そのまま彼に体を預け薄く落ちた瞼を上げる。視界の端に入ったのは亜麻色の髪と蒼い軍服。どうしてここにいるのだろう。先に行っていてもらったのに……遅すぎたから迎えに来てくれたのかな?それすらもどうでもよくなってきそう。
「…ジェイド、さん」
今は何も見たくなくて、自分から彼に抱きつく。後で思い出したときのことをこの時は考えてられなくて、ただ何も見たくない。それだけだった。
「大丈夫ですよ」
「テオドーロ……どういうことですか?」
抱き付いた私の頭を撫でるジェイド。その隣から聞こえたのはイオンの声。そうだね、ジェイドと一緒に出ていったんだもんね。心なしかイオンの声のトーンがいつもりよ低くて怒気が籠もっている気がする。何でか分かんない……
「どういうこととは?」
「何故、真咲にこの話を?」
イオンの言葉に驚き、ジェイドの胸から顔を少しだけ離してイオンに顔を向ける。すると彼はこちらに顔を向けていていつものように優しい笑みを浮かべていた。けどすぐに表情を変え、テオドーロを見る。
「彼女は何も知らないままこの世界にやってきた。それなのに真咲を一方的に責める言い方は納得できません」
イオン……話を聞いていたんだ。私とテオドーロの話を聞いていた。ジェイドの軍服を強く握り締め彼を見上げる。不安を露わにする私を余所に彼は微笑んでいた。