27話 廻り巡る記憶の水面
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「ルーチェは誰よりもユリアに近い場所にいた。同等の力を持つ科学者としてもフォニマーしても優秀だった。だが、ダアトより先にユリアを裏切った」
科学者?フォニマー?それは、知らない事実。じゃあ、ルーチェはユリアが提案した外殻大地に移住するこの計画に賛同し参加していたという事?元は、科学者として。目の前の視界が一瞬揺れる。
「ユリアにとって、年下ながらもルーチェは最も近い友人……誰よりも信頼していた」
少しずつテオドーロの声が遠くなる気がする。アッシュですら知らなかった事実。『被験者イオン』がアッシュに見せたユリアの日記と隠蔽預言……アッシュが知ったというそれよりも詳しく鮮明に言葉を綴る。ルーチェという存在が次第に明らかになる。『私』であって『私』ではない存在。元の魂は同じだというのに、私はルーチェのことを何も知らない。まるで生まれたてのレプリカのように。記憶が……ない。
「あなたに……何が分かるの?」
「あなたよりは知っている……ここにはユリアの記述も残っている」
ルーチェとユリアの間に取り巻くもの。それはあまりにも大きすぎて私の頭には全てが入り込んでこない。私という異分子はそんなにも重大なの?悪く言うなら私は来たくてオールドラントに来た訳じゃない。物語に納得してない部分があるのは間違いない……そう思う人は少なからずいる。でも…ダメだ…頭の中で色々な思惑と交差する。
「ルーチェは裏切り者だ」
裏切り者……インプットされたかのように頭の中でリピートし続ける。彼女が何をした?記憶がない私にはその真意も思いも分からない。ルーチェが何を思い何を考えてユリアを裏切ったというのだろう。
「だって……アッシュは……ユリアの日記を読んだって……そんなこと言ってなかったのに……」
言ってなかった……アッシュは知っていて隠してたの?私が傷つくと思って隠したの?本当に私は何も知らないの?
「いやあぁぁぁーっ!!」
もう……ナニモワカラナイ