27話 廻り巡る記憶の水面
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「でもローレライの鍵は、プラネットストームを発生させた後、地核に沈めてしまったと伝わっているわ」
「その通り。この場にはないもの――いや、現存するかわからぬものを頼るわけにはいかないでしょう」
鍵の行方は知れない。ティアの言葉を引き継ぐようにテオドーロがそう言い、セントビナーも一度崩落した以上、外殻大地に浮上させることは出来ないと続けた。言うならば、セントビナーを泥の海に沈まないようにできたところで今後はこの魔界で暮らすしかないということ。どうしようもないのかなぁ……と唸るアニス。
「……いえ、液状化した大地に飲み込まれない程度なら、或いは……」
「方法があるんですか!?」
浮上させることは出来ないが沈ませないということは出来るかもしれないというテオドーロの言葉にルークが再度、身を乗り出す。
「セフィロトはパッセージリングという装置で制御されています。パッセージリングを操作して、セフィロトツリーを復活させれば、泥の海に浮かせるぐらいなら……」
この方法なら街が沈むことはないだろうという。ティアがセントビナー周辺のパッセージリングの在処をを問うとセントビナーの東にあるシュレー丘にあると答えた。それにハッとしたようにイオンが私たちの顔を見渡した。
「そういえばタルタロスからさらわれた時、連れて行かれたのがシュレーの丘でした。あのときはまだアルバート式封咒とユリア式封咒で護られているからと、心配していなかったのですが……」
もう随分前のことだから安心しきっていたが、まさかヴァンがパッセージリングを壊して外殻大地を崩落させるとは思わなかった。アクゼリュスでみんなの側を離れたことを悔いているのか顔を伏せる。