27話 廻り巡る記憶の水面
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「ルーク。あまり気落ちするなよ」
「え?」
振り返らず元帥はそう言った。唐突に名指しされたルークは目をパチパチとさせて首を傾げる。
「ジェイドは滅多なことで人を叱ったりはせん。先ほどのあれも、おまえさんを気にいればこそだ」
「元帥!何を言い出すんですか」
前を向いたままそう言った。その言葉に慌ててまた大声を上げるジェイド。一番後ろにいる私は緩む口元を隠すように手を置く。慌てるジェイドが少し可愛く感じて、何か期待するような目でジェイドを見るルークも可愛くて仕方ない。思わず声まで出そうになっちゃったよ。
「年寄りには気にいらん人間を叱ってやるほどの時間はない。ジェイド坊やも同じじゃよ」
最後にそう言って街の中へと歩いて行ってしまった。
「元帥も何を言い出すのやら……私も先に行きますよ」
照れを隠くしたいのかやれやれといった感じで一人先に歩きだしてしまった。私はそこで堪えきれずにクスクスと笑いだしてしまう。
「はは、図星らしいぜ。結構可愛いトコあるじゃねぇか、あのおっさんも」
「あはは、ホントだ~vV」
「ふふふっ……そだね」
「真咲、あなたも来なさい」
ジェイドの意外な一面にガイとアニスが顔を見合わせ笑う。ティアとルークと私だけを残してみんな歩き出した。と同時に先を歩くジェイドが大きな声で私を呼ぶ。あ、笑い声が聞こえたのかな。ヤバっ……とバツの悪い表情を浮かべ、みんなに先行くね。表情を苦笑に変えて小走りでジェイドの後を追った。
「大佐って……やっぱ最近、真咲に対しての態度が違うよね」
「……そうだな」
腰に手を当てたままアニスが走り去った真咲の背を見つめながらぽつりと言う。それに複雑そうな表情で見つめて呟くガイ。どうかした?と今度はガイに問えば何でもないさと小さく首を振ってガイも後を追った。