27話 廻り巡る記憶の水面
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騒ぐ心
駆け巡る輪廻
目に映るそれは
それはいつの記憶か…
セントビナーの住民を乗せたアルビオールはユリアシティに到着した。預言は外れた……セントビナーは崩落しないという預言はヴァンの手によって狂った。崩落しないといったティアの祖父であるテオドーロを訪ねるべく、そしてセントビナーの住民を保護して貰うべくユリアシティに向かったのはいいけど……何故だろう。近づくにつれて心の奥底がざわついてならない。前にユリアシティに来たときはこんなことなかったのに。
「お祖父様!」
アルビオールから降りて街の入り口へと歩き出すとそこには市長のテオドーロが待ちわびたように立っていた。
「来ると思って待っていた」
「お祖父様、力を貸して!セントビナーを助けたいんです」
小さく息吐いて待っていたと言うテオドーロにティアが切羽詰まったように声を上げる。その言葉に眉を寄せて表情を堅くした。彼らも、決断をしなくてはならないときだから。どうして難しく考えるのだろう。多くの犠牲者が出ているというのに……預言を守り准ずることしか考えない。正直、そんな事しか考えない彼らは好きになれない。が、今はそんなことを言ってる場合じゃない。
「それしかないだろうな。預言から外れることは、我々も恐ろしいが……」
乗り気ではないが状況が状況なだけにしきたりだなんだと言ってられない。
「お話の前に、セントビナーの方たちを休ませてあげたいのですが」
「そうですな。こちらで預かりましょう」
「お世話になります」
まずは預言が外れた件の話をする前に救助したセントビナーの住民を落ち着かせたいとイオンが提案すれば、テオドーロは頷き案内する。疲れきった表情の住民たちはそれについて行き元帥も礼を述べて歩きだしたが数歩で立ち止まった。