26話 揺蕩う標
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「……本当になんともならないのかよ」
「住むところかなくなるのは可哀想ですの……」
歯がゆい気持ちを隠しきれないルークは眼下で崩落していくセントビナーを見る。ミュウも自分が原因とはいえ住処を無くしているからかしゅんと悲しげな表情でルークとともにそれを眺める。
「大体大地が落っこちるってだけで常識はずれなのにぃ、何も思いつかないよ~超無理!」
それは誰も同じ。魔界の泥に沈まない方法など思い付かない。
「そうだ、セフィロト?ここが落ちたのは、ヴァン師匠が、パッセージリングってのを操作して、セフィロトをどうにかしたからだろ。それなら復活させればいいんじゃねーか?」
どうしたらいいのか……俯いていたルークがハッと顔を上げる。壊れたパッセージリングを直せばいい、と。けどパッセージリングの使い方を知らないとティアが首を振る。それにルークがイラっとした表情を浮かべる。
「じゃあ師匠を問い詰めて……!」
「おいおいルーク。そりゃ無理だろうよ。お前の気持ちも分かる……」
アクゼリュスに続いてセントビナーまでもが崩落してしまったことに原因であるルークの焦り。もうこれ以上、誰かが悲しむこともしたくない罪を償いたい一心から来るもの。それはねみんなにもよく分かってるんだよ?それでもルークは……
「わかんねーよ!ガイにも、みんなにも!」
「ルーク……」
悲痛な叫びをあげる。それには誰も何も言わない。ううん、言えない。その思いは分かる……たとえ上辺だけでも。ただ、ルークの葛藤は私たちの物ではないから全ては理解できない。
「わかんねぇって!アクゼリュスを滅ぼしたのは俺なんだからさ!でもなんとかしてーんだよ!こんなことじゃ罪滅ぼしにならないってことぐらいわかってっけど、せめてこの街くらい……!」
拳を握りしめ、今にも泣き出していまいそうな声……それを遮る珍しい声を上げる彼。