26話 揺蕩う標
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「陸艦と言えば、おたくらの陸艦から部品をごっそりといただいたよ。製造中止になった奴もあったんで、技師たちも大助かりさ」
「おかげでタルタロスは航行不能です」
右手の杖を肩に抱えて笑うタマラさん。イオンも苦笑を浮かべる。
「でも、アルビオールがちゃんと飛ぶなら、タルタロスは必要ないんですよねぇ」
「『ちゃんと飛ぶなら』とはなんじゃ!」
腰に手を当ててアニスがにっこりと笑顔で『ちゃんと飛ぶなら』と言うとその言葉に反応したのは昇降機から現れたアストンさん。
「タルタロスはお疲れ様、ですね」
「…そうですね」
タルタロスとの付き合いなんて大してないけどやっぱり多少なりとも思い入れはある。もう少し先の未来に最後の航行をすることになるけど、一先ずは『お疲れ様』と言ってあげたかった。
「わしらの夢と希望を乗せたアルビオールは、けして墜落なぞせんのだ」
意気揚々と豪語するアストンさんにルークが……墜落したじゃんとあっさりとツッコむ。
「おおーいっ!早くしてくれ!扉が壊される!」
「アルビオールの二号機は?」
扉を押さえるのも限界だとガイが叫ぶ。悠長にお喋りをしている場合ではない。ティアが最後の仕上げをしていたアストンさんに問う。完成じゃ、操縦士も準備が出来ているアストンさんは頷き、イエモンさんたちが引き付けるから急げと言ってくれた。
「ですが、外の兵士は気が立ってますわ」
「時間がないんでしょう?」
ナタリアが名を明かして兵を引かせようとしたがそんな時間もないんだろうとタマラさんが自分たちに任せろと言ってくれた。私たちはその言葉に甘えアルビオールへと飛び込んだ。
「おまちしていました」
「あんたは?」
アルビオールの中にいたのは額にゴーグルを付けた金髪の女性。