26話 揺蕩う標
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「ありがとうございました!おいらは先に浮遊機関を届けてきます!」
無事シェリダンに戻るとギンジは回収した浮遊機関を持って飛晃艇ドッグへと走り去って行った。さて……そろそろかな?チラリとジェイドに視線を向けると向こうも私の方を向いていて頷いた。
「私たちも行きますよ」
「おまえたちか!マルクト船籍の陸艦で海を渡ってきた非常識や奴らは!」
少しでも早くドッグに向かおうとすれば予定通りと言えば物語通りにキムラスカ兵が現れた。そして私とジェイドを見て目の色を変える。
「む?おまえたちはマルクト軍人か!?」
「まずい……!」
「とりあえず逃げよっ!」
おとなしく捕まるわけにはいかない。アニスの掛け声とともに一斉に走り出す私たち。「捕まえろ!」とドッグへと走り出す私たちを追ってくるキムラスカ兵。街の人たちとすれ違い様にぶつかりそうになる。イエモンさんたちから何か聞いているの特に驚く様子もなく私たちを見送る。
「おお!帰ってきおった!今アストンが浮遊機関を取り付けとるぞ!」
「怪しい奴!ここを開けろ」
慌てて中に入ってきた私たちに驚くことも気にすることもなく作業の手を一度止めてこちらへと振り返るイエモンさん。追ってきたキムラスカ兵に扉を蹴破られないようにガイが鍵を掛け必死に押さえる。
「なんの騒ぎだい?」
「キムラスカの兵士に見つかりました」
タマラさんも手を止め何事かと訊ねてくる。苦笑いを浮かべたジェイドがそう言うとタマラさんは私とジェイドを見る。
「そうか、あんたらはマルクトの軍人さんだったね」
「この街じゃ、もともとマルクトの陸艦も扱ってたからのぅ。開戦寸前でなければ咎められることもないんじゃが……」
もうすぐ開戦するというとき。そのせいかキムラスカ兵も躍起になっているのだ。ましてやこんな状況下にマルクトの軍人がキムラスカ領にいるのだ。捕まえて捕虜にでもする気なのだろう。