26話 揺蕩う標
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「真咲!」
「きゃっ!」
浮遊機関を持ってシェリダンへ戻ろうと一同踵を返したときだった。腕を引かれ、何事だと振り返ると同時に顎の辺りを掴まれ無理やり力の方に向かせられる。
「どうしたんですか、その傷?」
腕を引いたのも顔に手を置いて振り向かせたのもジェイド。赤い目は細められ何処か怒っているようにも見える。ここしばらく、私の思い違いでなければ最近のジェイドは優しい表情を浮かべるようになった気がする。画面越しでは分からなかった知った気がして何だかくすぐったいような嬉しいような気がしたのに……今、私を見下ろす赤い瞳は怖いと思った。
「こ、これは…」
「さっきの戦闘で出来た傷です」
私が答えるより先にティアが先に答える。ティアが『戦闘』があったと言うと反対側ルートだったアニスたちが首を傾げる。
「ああ、デカ物が出たんだ」
「真咲魔物の攻撃で吹き飛ばされて…」
「ルーク!」
魔物を出たのを話すのはいい。けど避けれなくて怪我したのは言って欲しくなかった。ここに来る前に体調が優れないとか言っておきながらもついてきているんだからそこはしっかりしなきゃいけないのに。また怒られる……そう思ってルークの言葉を途中で遮った。
忘れる……忘れなきゃとか思いながらもこの人には呆れられたり側からいなくなったり、見捨てられたくないなんて思ってる。矛盾してるなんて分かっててもどうしようもない感情が一気に駆け巡る。
「ほんとだぁ!」
「まぁ!すぐに治しませんでしたの?」
その場にいなかったアニスとナタリアも私の頬の傷を見て声を上げる。それより私は手を離して欲しいんだけど。何か居心地が悪い。
「真咲」
声音も低い。やっぱり怒ってる?迷惑かけた?無茶したと思ってる?呆れる?