26話 揺蕩う標
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「…くっ!」
時間がないんだ。ここでこれ以上時間を使うわけにはいかない。なんとか上半身を起こす。
「真咲!大丈夫か!?」
「……何とか」
この姿じゃ『大丈夫』だなんて言えない。素直にルークの肩を借りて端に行く。
「今、回復するわーー命を照らす光よ。ここに来たれ――ハートレスサークル!」
緑色の光が私を包み込む。第七音素を受け入れることのない体だけど全くというわけではないおかげで脳震盪のほうは回復したのか視界はクリアになる。まだ頬の方は痛むけどこれくらないなら大丈夫だろう。
「待って!まだ頬が、もう一度……」
「そっちは後でいいよ。時間がない…早く倒さないと」
頬は腫れてるだけではなくどうやら傷があったらしく、血が…と厳しい表情を浮かべるティアに操縦士を助けなくちゃと言葉を遮って返せば一瞬言葉を詰まらせたけど、そうねと頷いた。
「…真咲!」
「援護する!」
今度は土の属性の魔術を言葉にする。私の詠唱によって砂は魔物の足を埋め固める。イメージしたとおりに具象化してくれたおかげで魔物の足止めが出来た。
「アピアース・フレイム!」
「これで終わりだ!――吹き飛びな!紅蓮襲撃!」
ティアが発生させた火のFOFに乗せてルークが技を繰り出す。蓄積させたダメージに加えて弱点と思われるルークの技がヒットすればそれが止めとなって魔物は沈黙した。
「なんとか片づいたな」
「ナタリアたちも襲われてなきゃいいが」
ふーっと滴る汗を拭い剣を鞘に納める。こちらであれだけの魔物に襲われたものだから反対側のナタリアたちは無事かと心配するガイ。
「真咲。手当しましょう」
「うん?それより先を急ごう。だいぶタイムロスしちゃったし」
手当てはそれからでいいよ。そう言い一度手中の杖を消す。時間がないのは確か、ルークたちは一度顔を合わせた後頷いてアルビオールの元へと急いで歩き出した。