26話 揺蕩う標
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「来るぞ!」
構えると同時に現れた恐竜のよう姿の魔物。見た感じから力があると分かる……攻撃を食らったらきっとひとたまりもないはず。
「真咲!ティア!援護頼む!」
「ええ」
「任せて!」
行くぞ!とガイとともに剣を抜き魔物へと突っ込んでいく。すぐにティアがフォースフィールドを展開させる。これでたとえ数秒でもダメージを軽減できるなら、時間を稼げるなら。
「赤き紅蓮の炎よ 我が前に立ちはだかりしものに 断罪の豪火を!」
杖を振るい私の周りで光る魔法陣を突く。光は弾けそれは赤い炎へと変わる。術が完成したのを確認して「ルーク!ガイ!」と叫べば二人は後方へと飛び退く。私が敵と見なした魔物に幾重の炎の柱が囲み一気に魔物を飲み込む。
「効いてるな」
「ってことは弱点は火か?」
私の攻撃を食らった魔物は悲鳴を上げて暴れる。弱点が『火』だと分かればこっちのものだと再度私の魔術とティアのサポートを駆使して攻撃に転じようとした時だった。
「――ッ!」
衝撃。
それだけ、分かったのはそれだけ。ふと意識的に目に入ったのは砂と岩。さっきまで目の前にあったのは魔物の姿だったのに。けど焦点は定まってなくて頭がぐぁんぐぁんと揺れてるよう。思考も何となくはっきりしてない気がする。
「真咲ーっ!?」
るーく?
あれ?
あんなに声遠かったっけ?
そこでようやく痛みを感じた。ズキンズキン……顔というのか頭というのか。頬が熱い。魔物が攻撃したのが見えなくてそれが顔面にクリーンヒットしたんだ。
「……うぅっ」
すぐに起き上がれない。脳震盪を起こしているから意識が朦朧としてるんだ。ヤバい……早くここから離れないとまた標的にされちゃう。