26話 揺蕩う標
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どうしようもない
それはどうすることも出来ない
私は標
漂うように流れるだけ
ジェイドへの想いを気づいてしまって早数日。適当な理由を付けて殆ど艦橋へは近寄らず、彼の顔も見ないようにしていた。顔に出やすい私のことだ。すぐに気づかれてしまう。忘れなくてはいけない……いずれは忘れなくてはいけない。こんな私が人を好きになる資格なんてないんだから。
だってそうでしょう?私は何も出来ない。事はヴァンの思惑通りに進み私は誰も助けられない。微々たる変化なんて何の効果もない。私の存在理由……それすらも分からずいつ消えるかも分からない私の気持ちなんて重いだけだから。だから、ちゃんと忘れるの。
「つ、疲れた…」
「もー、ガイの話なんかに付き合うからだよぅ」
人の気なんて知ったこっちゃない……そりゃそうだよね。シェリダン港にタルタロスを停泊させ歩いてシェリダンにやって来た。うん、ただやって来たのはよかった。流石は譜業の街と呼ばれるだけはあって街の入り口にも部品やら譜業機械やらが散乱していた。それはガイにとっては宝の山でこれでもかってくらいテンションの上がったガイは女性恐怖症なのも忘れたのか私の手を思い切り握って熱弁した。
「ルークとジェイドさんに感謝しなくちゃ」
「ルークが無理やりガイを引き剥がしてくれたおかげだもんね」
手を握ったまま譜業についての何たるかを熱弁し続け手を離してくれる様子もない状態で思わず悲鳴じみた声で助けを請えばみんなが側にやってきた。ルークがガイを羽交い締めにして引き剥がし、ジェイドは私を守るように自身へと引き寄せた。この時に肩を抱かれ伝わる体温で体に熱が帯びたのは内緒。
「迂闊にその話はしないしよう」
我に返ったガイが盛大な悲鳴を上げたが、それは私の方だ!と叫び返してやった。