25話 馳せた想いに涙流れる
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「ど、して?」
「あなたがやっと頼ってくれたからですよ」
やっと?いつでも頼りにしてたと思うけど。年長者だし様々なことに経験も豊富だし。ジェイドがそんな風に言うほどのことなんて私はしてない。
「あなたは何でも我慢をしますからね。涙を見せても頼ろうとはしない」
そうだっけ。そうかもしれない。昔はこんな涙腺も弱くなかったのに。こっちに来てからかな、涙脆くなったのは。でも、私が泣くのっていつもジェイドが傍にいるときだ。殆どがジェイドの前でしか泣いてない。私ってジェイドの前でしか泣いてないの?あれ?
「あ、えっと……そう言えば、みんなは?」
分かりやすいほどのあからさまな話の変え方。だって、なんだかこれ以上この話をしてはいけない。頭のどこかで警告音が鳴っている。気付くな。気付いてはいけない。
「……みなさんでしたら船室で先に休んでますよ。あなたはよく眠っていたので起こさず、私が見ていることにしました」
「す、すみません!」
抱きついたままだから表情は窺えない。たぶん呆れているとは思うけど。それにしてもみんなはもう休んでたんだ。私が艦橋で眠ってしまったからそのせいでジェイドは休めなかった。何もかも申し訳ないことばかり。
「気にしなくてもいいですよ。元々、艦橋に残っているつもりでしたから」
そう言って操舵席に戻る為か私から手を離し、その温もりがなくなって自分でも信じられない行動に出た。
「…っ!もう少し、だけ…」
消えていく温もりを追うように私は……また自分からジェイドに抱きついた。けど、すぐに自分が何をしたのか自覚して抱きついていながら、彼を突き飛ばして見上げてみれば、ジェイドは目を見開いて驚いていた。
「ごめんなさい!」
呆気にとられているジェイドをそのままに私は艦橋を飛び出した。ひたすら走って、甲板を過ぎ去って扉を開いて入り乱暴に閉める。壁にもたれ掛かって座り込む。