25話 馳せた想いに涙流れる
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「真咲?」
明らかに様子がおかしいのは分かってると思う。私から抱きつくなんてないから。先日、ルークに抱きついたのとは全く違う。あの冷たさが忘れられない。夢なのにリアルに感じた冷たさ。背筋が凍るほどの冷たさ。
「……っ」
震えの止まらない私をジェイドは抱きしめ返してくれた。優しく、壊れ物を扱うように……そっと抱き締めてくれる。前からも後ろからも感じるジェイドの温もりに心地よくなり安心したのか涙が溢れ出した。いつものように我慢をしていたわけではない。自分でもこんな行動に出るなんて思いもしなかった。けど体は勝手に動いて、抱きしめて欲しくて。
「ごめんなさい」
何に対して?抱きついたこと?泣いたこと?分からないけど謝罪の言葉を口にしてしまった。きっと彼にばっかりに甘えてしまってることだ。私自身のことを知っている数少ない人だから。更に身近でいつも傍にいてくれている人だから。迷惑ばかりかけているのにいつでも心配してくれて、それで。
「大丈夫ですよ」
少しだけ抱く力を強める。耳元で囁かれればその部分に熱が帯びる。
「それでディストに捕まっていたとき、何か怯えていたのですか」
気付いてたんだ。一瞬の咄嗟の行動だったのに、気付いてくれていたんだ。だから今、私が情緒不安定なのにも気付いてくれていたんだ抱き締めてくれるんだ。小さく頷いて少しだけ離れる。
「ごめんな……」
「謝らなくてもいいですよ」
顔を上げることは出来ずまだ彼から離れられない。申し訳なくてもう一度謝ろうとするとジェイドは私の後頭部に手を置いて再び抱き寄せる。
「嬉しいんですから」
ゆっくりと頭を撫でる。嬉しい?何が嬉しいの?私は迷惑しかかけてないのに、ジェイドの喜ぶようなことなんてしてないのに。なのにどうして嬉しいなんて言うの?