25話 馳せた想いに涙流れる
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そこは誰もいない
暗い部屋の中の様
私はそこにいた
誰かに両腕を捕まれて動けない
「誰?あなたは誰!?」
見えない。目の前にいるのに顔が見えない。これは……最近見始めた夢。恐怖で身が強張る。
「…………」
何を言ってるの?目の前の誰かが何かを言いながら私の頬に触れる。冷たい手。ぞくりとする。
「や、めて」
何を?
「やめて!」
目の前の誰かの手が光る。様々な色に光るその手を私の眼前に翳す。その光を見て私は生唾をゴクリと飲み込む。その人の口角を上げてニタリと笑う。その瞬間、体中を恐怖が支配した。怖い、怖い怖い怖い……エンドレスにその言葉だけが頭を駆け巡る。この人もこの光も怖い。私の表情は恐怖で満ちているのだろうか、その人は楽しそうに笑っている。声は聞こえない。見えるのは笑みを浮かべている口元と光だけ。
「やだ…いや……やめてーっ!!」
身を捩って逃げようにもしっかりと両腕を掴まれていて逃げることが出来ない。殺される。殺されると脳裏に浮かぶ。
「い、やぁ」
光を翳した手は私がどんなに嫌がっても段々と……私の右目へと近付いてくる。瞬きが出来ない。目を離すことが出来ない。ただその光を見つめるだけ。目を見開いて見つめるだけ。
殺される
頭の中はそれでいっぱい。
――大丈夫
何が?
――まだ、大丈夫
何がなの!?何が大丈夫なの!!微かに聞こえる女の子の声。ただ『大丈夫』と。その声に耳を傾けている間に手に翳された光はすーっと私の右目に流れ込んでくる。右目から全身にかけて激痛が走る。声にならない悲鳴を上げて……私の意識は途絶えていった。