25話 馳せた想いに涙流れる
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「確か教団が発掘したっていう大昔の浮力機関らしいぜ。ユリアの頃は、それを乗り物に付けて空を飛んでたって話さ」
音機関好きの間でちょっと話題になってた、と説明する。それに頷いてイオンがキムラスカと技術協力するという話に了承印を押した、と言う。
「飛行実験は始まっている筈です」
「それだ!その飛行実験に使っている奴を借りてこよう」
「急げば間に合うかもしれないしね」
ルークにみんな頷く。
「しかし間に合いますか?アクゼリュスとは状況が違うようですか」
「兄の話ではホドの崩落にはかなりの日数がかかったそうです」
魔界との外殻大地の間には、ディバイディングラインという力場があり、そこを越えると急速に落下速度が上がる。ジェイドの不安と疑問にティアが答える。
「やれるだけやってみよう!何もしないよりはマシだろ!」
「そうですわね。できるだけのことは致しましょう」
今は間に合う間に合わないの話をしている場合ではない。それよりは前に進まなきゃいけない。立ち止まっていれば本当に間に合わなくなる。ルークが力強く言うとそれにナタリアが賛同する。この現状で誰よりも前を見ているのはルーク。その頼もしさからかみんなも自然とルークの言葉に頷く。
「シェリダンはラーデシア大陸のバチカル側にありましたね」
「よし、急いでタルタロスに戻ろう」
次はアルビオール入手。物語が変わらなければまずはアルビオールの救出が先のはずだ。急がなきゃ……どれもこれも時間との戦い。
「やだ、な」
震えがまだ止まらない。さっきのディストの冷たい目が忘れられない。情けない……こんな事で震えて立ち止まっていたら全てが、崩れてしまう。私は止めるために、私の知る未来を変えるためここにいるんだ。
「しっかり、しなきゃ」
俯いている場合ではない。震える手をもう片方の手で抑える。誰にも気付かれないように、みんなの後を追った。