25話 馳せた想いに涙流れる
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「あの状態では仕方ありません。体の方は大丈夫ですか?」
早速、約束を破ったから怒られるかと思ったけど私の体の心配をしてくれる。過去の経験からして右目に激痛が走るものだと思っていたら今回は全く痛みが襲ってこない。大丈夫、だと返したとき地面が大きく揺れた。
「わ、また地震?」
地震の激しい揺れのせいで地面に亀裂が入る。まだ避難していない元帥たちがいる広場付近にも亀裂が入り崩落が始まり、その場に取り残されてしまった。
「くそ!マクガヴァンさんたちが!」
「待って、ルーク」
元帥たちの元へと飛び降りようとするルークの手をティアが掴んで止める。
「それなら私が飛び降りて譜歌を詠えば……!」
「待ちなさい。まだ相当数の住民が取り残されています。あなたの譜歌で全員を護るのは難しい」
確実な方法を取りましょう、とルークに変わって飛び降りようとするティアを今度はジェイドが止める。少しずつ沈んでいく広場を私たちはなす術なくただ見下ろしていた。
「わしらのことは気にするなーっ!それより街のみんなを頼むぞーっ!」
自分らより先に避難をしている住民を……元帥は落ち行く広場から叫ぶ。ルークはどうにかできないのか!と拳を地面に打ち付ける。
「空が飛べればいいのにね」
立ち尽くす私たち。アニスがそれならみんなを助けれられるのにと、ポツリ呟けばガイがハッと顔を上げる。
「……空か。そういえば、シェリダンで飛行実験をやってるって話を聞いたな」
「飛行実験?それって何なんだ?」
腕を胸の前で組んで思い出したようにガイが言う。空飛ぶ乗り物のないオールドラントでは聞き覚えのない言葉にルークが首を傾げる。これにはティアやアニスも何のことだと瞬きをしてガイを窺う。みんなには悪いけど私には聞き慣れた言葉で旅行に行くためにすでに飛行は経験済み。