25話 馳せた想いに涙流れる
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「断ります。それよりそれをどかしなさい」
「へぇ?こんな虫けら共を助けようと言うんですか?ネビリム先生のことは諦めたくせに」
門の前に立つカイザーディストをどかすように言えばジェイドを信じられないといった風に表情で睨み付ける。『ネビリム先生』と言う言葉にルークは目を見張り、私は苦虫を噛み潰したように眉を顰める。
「……おまえはまだそんな馬鹿なことを!」
「さっさと根を上げたあなたにそんなことを言う資格はないっ!さぁ、導師と真咲を渡しなさい!」
ジェイドも『ネビリム先生』の名に目を見開きいて驚きすぐに睨み返す。ディストはカイザーディストへと乗り込み襲いかかってきた。迅速に倒さなくちゃ……本当に間に合わなくなってしまう。
「――っ!?」
全員が戦闘態勢を取り身構えたときだった。カイザーディストの四本のアームのうちの一本が私の胴を掴んだのは。アームが腹に食い込んで声にならない痛みを伴った。しかもよりによって前にヴァンに斬られた場所。
「真咲ッ!!」
アームを引き、宙に浮かぶ私の体。ディストと同じ高さまで上げられた。眼下にみんなの姿。ルークがカイザーディストの真下まで駆け寄り叫ぶ。ジェイドらは下手に動けないと判断したのかその場から動かずこちらを見上げている。まさか捕まるなんて……自ら不利な状況を作ってしまった。
「動かないで下さい。動くと真咲がどうなるか分かりませんよ」
「…ぐぅっ!」
側に寄ったルークを見下ろす。そしてアームが更に私の腹に食い込んで呻いてしまう。ここまでくると痛いというよりは苦しいに近い。キッ!と睨み付けるとディストも私の方を見ていた。バチっと目が合う。冷たい目で私を見つめていて……小さく、ニィっと笑った。