25話 馳せた想いに涙流れる
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「それでは私たちも行きましょうか」
「はい」
この人は本当に……私をどうしたいんだろうか。なんで優しくしてくれるの?全てを話す前から……ユリアシティに着いたあたりからだろうか。嬉しいんだけど、何が裏があるのではとかなんか色々頭の中で交差する。でも私の不安を感じ取ってくれて欲しい言葉をくれて安堵を与えてくれて、すごく温かな気持ちにさせてくれる。この気持ちをどう言葉で表せばいいの?随分久しくその名を聞いてない気がする。
「真咲?」
もっと名前を呼んで……そう思うのはいけないこと?私の方がどうしてしまったのだろうか。先を歩き出したジェイドが振り返って私の名を呼ぶ。ただ名前を呼ばれただけなのに。動悸が激しくなる。
「真咲?どうかしましたか?」
「ほへ?えっ、あ。何でもないです」
引き返して顔を覗き込む。ハッと意識を戻し胸の前で両手を振り、すみません。ぼーっとしてました。と返す。怪訝そうな顔をされたけどルークたちが待ってますよと誤魔化すように言って外へと歩き出す。きっとさっきのはジェイドに全てではなくても話せて知ってくれてることに安心してるだけ。
「真咲と大佐、おそーい!もう、何してたの?」
「ごめん。手伝うよ」
アニスの側にいた小さな子供の手を取り、大丈夫だからね。と不安にさせないように笑顔で街の入り口で待機している兵士の元まで誘導していく。お願いね。と子供を預けて再び他の住民の誘導を繰り返す。住み慣れた街を捨てなければならなくなった住民たちは避難をしなければとみんなやマルクト兵の指示に従っているけど名残惜しそうに何度も振り返り哀愁に満ちた表情を浮かべている。
「ごめんなさい」
目を閉じ誰に言うでもなく謝罪の言葉を口にする。許しを請うことは出来ない。どれも私のわがままだから……こんな事しか出来ない私を許さなくてもいい。ただ生きて下さい。