24話 水の都で心に秘めた想いを綴る
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「重荷だなんて……そんな……」
これからのことを考えるなら私なんかのことに気を使わせてはいけない。ルークやみんなにはもっと辛いことが待ち受けているんだから。
「真咲……僕は」
「二人とも、風邪を引きますよ」
再び後ろからの声にイオンと同時に振り返る。声でそれが誰だかはすぐに分かった。ジェイドさん……ぽつり、名を口にするとジェイドは笑みを浮かべながらバルコニーへと降りてくる。
「グランコクマは海に面してますからね。夜になると海風で冷えますよ」
私とイオンを交互に見下ろすジェイドの更に後ろから「イーオーンー様ー?」とアニスが大きな声を出してイオンを探していた。
「アニスが探してるようですね」
「はい。では僕はアニスの元に行きますね」
アニスが探しているのなら仕方ないという感じてで、私を一瞥して部屋の中へと戻っていった。イオンがいなくなって今度はジェイドと二人きりになった。いいタイミングで現れた所を見ると、
「……また盗み聞きですか?」
だろうと思い、視線をイオンの消えた窓からジェイドへと移す。すれば彼はいつものように笑みを浮かべる。
「盗み聞きなんて人聞きの悪い。聞こえただけです♪」
って言うけどどう違ういのだろう?聞いてみたい気もするけどそれはそれで怖いから止めておこう。
「言いましたよね?」
「はい?」
私の隣に立つジェイドの言葉に何をだ?と首を傾げる。唐突に言ったって何のことだろう。主語述語を使って欲しい。
「私はあなたを手放す気はない、と」
真っ直ぐと見下ろされて言われた言葉は前にバチカルで言われたもの。思い出して「あっ」と声を上げて、見つめ返す。その真意は分からないまま今に至ってしまってるんだけど。
「言いましたよね?グランコクマに戻るまでの宿題だと」
言われたな。確かに言われた。でも答えなんて分かるわけがない。と言うよりは全然考えてなかった。