24話 水の都で心に秘めた想いを綴る
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「僕は真咲、あなたを信じると決めました……ですが」
「私が知っていることを話すのは簡単です。でも私は預言が、それに縋るこの世界が嫌いなんです」
そんなものに振り回されてみんな命を落としていくを知っている。このままいけばイオンも六神将もヴァンも……他にもたくさんの人が死ぬ。私が話せばそれは回避できるかもしれない。ただ本当にそうなのか、私がここにいることで起こる変化がどこまでなのかが分からない。
「ただこれだけは命に掛けても誓います。イオン様やみんなを裏切るようなことはしません」
だから、このまま私を信じて欲しい。そう思いを込めてしっかりとイオンを見つめる。
「もし……それが出来ないというのなら、私は潔くみんなの前から消えます」
そして、一人でもみんなを救済するために動こう。私がこの深淵の世界に来た意味はそこにあるはず。ルークとアッシュだけじゃない。全ての人とは言えないけど、救えるだけの人は救いたい。
「短い命なら……後悔をしたくないんです」
イオンに聞こえるか聞こえないか。それくらい小さな声で言った言葉は私自身の不安の現れ。血中音素が少なくいつ乖離してもおかしくはない私の体がいつまで持つのか。限界の分からない魔術を使い続ければ今後、私の体に右目の失明以上の障害が生じるかもしれない。それでも私は歩みを止めるわけにはいかないんだ。
「いえ、あなたを信用しています。ただ、あなた一人に重荷を背負って欲しくないんです」
あなたは一人で何もかもを抱え込んで、隠して我慢する。もうそんな姿は見たくないのです。イオンは私の右手を両手で握って懇願するように言う。
「あなたの重荷を僕にも背負わせて下さい」
生まれてまだ二年しかたたない男の子にこんなに心配を掛けてしまってたなんて。自分や世界のことを心配してくれればいいのに、なのに。