24話 水の都で心に秘めた想いを綴る
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「瞳を閉じて暗闇に……~」
あのまま全員分の部屋を取り、今は夕食を終えて各々自由な時間を過ごしていた。ルークとガイは改めて友情を確認し合い、今も二人仲良く談笑している。私は一人、バルコニーで久々に歌を歌っていた。何を思うわけでもただ歌っていた。
「真咲」
後ろからの声に歌を止め振り返ると、バルコニーの入り口にイオンが立っていた。小さく微笑みながら、いいですか?と聞いてきたから、はいと答える。
「どうかしたんですか?」
隣に来たイオンに尋ねてみたが何か様子がおかしい。何て言うか表情が曇っているというか……どこか雰囲気が暗い。
「イオン様?」
「……あなたは、いつから……知ってたのか聞いてもいいですか?」
彼から声を掛けてきたのになかなか口を開かないからこちらから名を呼ぶとイオンはゆっくりと言葉を発し始めた。けどそれが何のことか分からず首を傾げるとイオンは手すりについていた手を見つめたまま。
「あなたは……前々から僕が、レプリカって知っていた。それはいつからか聞いてもいいですか?」
もう一度聞いてもいいかと問い、ようやくこちらに顔を向ける。イオンの問いの答えはジェイドとピオニーに話した、私の知っている全てを話すと言うこと。彼にそれを話すのは、今の時点でジェイドたち以外にも全てを知る人間が増えるということ。それはこの先の展開を考えるに至っていいものか悪いものか……さてどうしよう。
「……完全に確信を得たのはアッシュの話を聞いた後です。でも……」
まだ話せない。今はまだ話すときではない。ごめんなさい……心の中で謝罪をする。
「そうだと思い始めたのはデオ峠でのジェイドさんとイオン様とリグレットの会話です」
それ以上は話せません。と、私は目を伏せた。まだ何かを知っているという含みを残してしまっているが、イオン自体も私が他にも何か知っていると薄々、分かっただろう。