24話 水の都で心に秘めた想いを綴る
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「解呪に成功したようです」
宿の前に行くと見張りをしていた兵士がそう言った。そのままガイたちがいる部屋へと案内され、中に入るとガイはベッドの上に座っていた。イオンはその脇の椅子に座っており、アニスはイオンの隣に立っているさ。カースロットの解呪はよほど大変なものだったのか疲労を伴ったイオンの顔色は悪かった。
「ガイ!ごめん……」
部屋に入ってガイの姿を確認したルークはすぐにガイの側に駆け寄り頭を下げた。
「……ルーク?」
「俺……きっとおまえに嫌な思いをさせてたんだろ。だから……」
突然、謝罪の言葉を述べるルークにガイは目を丸くした。知らず知らずの間に自分がガイを傷つけてた怒らせてたと思っているルークは顔を歪めて俯いてしまう。
「ははははっ、なんだそれ……おまえのせいじゃないよ。俺がおまえのことを殺したいほど憎んでたのは、おまえのせいじゃない」
突然謝りだしたルークにガイは苦笑いを浮かべる。ベッドの上で胡座を掻き、更にその膝の上で肘を着き顎を乗せる。言葉の最後のほうになると彼は悲しそうに目を伏せた。きっと思い出しているんだ。幸せだった頃のことを。
「俺は……マルクトの人間なんだ」
「え?ガイってそうなの?」
ガイの告白にみな驚きを隠せず、目を見開く。これに驚かないのは事実を知る私とジェイドくらい。
「俺はホド生まれなんだよ。で、俺が五歳の誕生日にさ、屋敷に親戚が集まったんだ。預言士が俺の預言を詠もうとした時、戦争が始まった」
その時のことを語り出すガイ。その間、この部屋は静かな空間と化した。言葉を止めたガイの後にティアが「ホド戦争…」と呟く。その呟きにナタリアが息を飲んだ。ガイがルークを憎む理由……それが分かったから。どういうことだ?とその理由が分からず眉を寄せるルークにナタリアの表情が曇る。