24話 水の都で心に秘めた想いを綴る
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「このままだとセントビナーが魔界に崩落する危険性があります」
「かもしれんな。実際、セントビナー周辺は地盤沈下を起こしてるそうだ」
「では、街の住民を避難させなければ!」
この情報はすでにピオニーの耳には入っている。ジェイドが先にピオニーの元に報告に行ったがそれよりも前から崩落の兆候はあった……その事はルークたちと合流する途中にジェイドから聞かされた。たぶん私たちがアクゼリュスで崩落して間もないうちに崩落の兆しは現れてたんだ。その事を認識しているのなら一刻も早く住民の避難をと声を上げるナタリア。けどピオニーは表情を堅くして首を横に振った。
「そうしてやりたいのは山々だが、議会では渋る声が多くてな」
「何故ですの、陛下。自国の民が苦しんでおられるのに……」
溜め息混じりに言うピオニーにナタリアが一歩前に出る。分かっていながら動かない。何故に渋る必要があるのかと。それはルークとティアも同じ様に感じているだろう。けど理由を知っているジェイドやゼーゼマンにノルドハイムの表情が一層険しくなる。私自身もそうなった経緯を"ゲーム"を通して知っているからやるせない。
「キムラスカの圧力があるんですよ」
キムラスカ・ランバルディア王国からの声明があった……沈黙を破るジェイドの言葉にノルドハイムが継いで話す。更にゼーゼマンがナタリアとルークの亡き者にするためにアクゼリュスごと消滅を謀った。これを理由に制裁を加えると言ってきたと言葉を続けた。自国の繁栄の為にルークをアクゼリュスに行かせたくせに……モースの言いなりのくせにそれを理由に戦争をけしかける連中の方に私は遺憾を覚えた。
「事実上の宣戦布告ですね」
「父は誤解してるんですわ!」
ティアの呟きにナタリアはありえないと首を振って叫ぶ。そんなナタリアをノルドハイムは冷たい目で見る。