23話 私と陛下と懐刀…
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「だか諦める気はないんだろ?」
「まぁ…簡単に……」
「きゃーっ!?」
横目で、ニヤリと笑みを浮かべてジェイドを見る。ジェイドはポケットに指輪をしまいながら頷きかけたとき、隣の部屋から悲鳴が聞こえてた。その声のほうに二人同時に顔を向ける。
「ちょっ!や、ダメ!」
何が起きているのか、悲鳴のあとに今度は少し荒げた声がした。
「ひゃっ…な、舐めないで。止めてね?ねっ?」
今度は言い聞かせるように……その間、男二人は微動だにせず隣の部屋への扉を見つめる。
「あ…い、いやぁ…き、着替えられないでしょ?」
少し甲高い声。叱るような言い方。ここまで黙っていたジェイドが眼鏡をくいっと上げる。
「今日のディナーはポークソテーですかねぇ」
「そ、それだけは!あ、あいつらに悪気はないんだ!!」
眼鏡を光らせながら声音を低くするジェイドの腕に縋り懇願するピオニー。ピオニーの私室で着替えている真咲に何かをしている犯人が分かっているからか、腕にしがみつくピオニーを見下ろしにっこりと微笑む。
「ピオニー」
「お、おう…」
珍しく名を呼ぶジェイドに些か不安を覚えつつ、返事をする。
「今日はネフリーからにしましょうか」
「や、止めてくれ!た、頼むから止めてくれ!」
はははっと声は笑っているが目は笑っていない。それを見たピオニーは顔を真っ青にしてジェイドにひたすら謝り続けた。
「し、しかし…真咲の奴、こんな事一人で抱え込んでたとはな」
「……何か隠しているのは分かっていたのですが、なかなか意固地で話してくれなかったんですよ」
無理矢理話を逸らすピオニーに小さく息を吐いてから頷く。知らない世界にいきなりやって来てこんな事に巻き込まれ、右目を失った。しかも話を聞けば真咲自身も全く関係がないとは言えない。彼女の知っているものは違うという……なのに。
「心配は掛けたくない、ってことか」
と、ぽつりと呟いた。