23話 私と陛下と懐刀…
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「えっと、ジェイドさんに預けてる私の指輪を媒介にして術を発動させました。グランコクマに来たことがないからイメージ出来なくて……物でもいいかなって」
話を続け、ジェイドの問いに答える。「指輪?」と首を傾げるピオニーにジェイドは軍服のポケットからチェーンの付いた私の指輪を取り出す。懐かしいと思ってしまう。あの指輪は何よりも大事だったもの……なのに、今は前のような愛しさはない。もう、元の世界に未練はないということなのかな?
「そういう使用方法もあったのですね」
手の中の指輪を見て言うジェイド。正直なところそれは賭だったんだけど言うと怒られそうだから言わないで置こう。
「まだ預かっていていいのですか?」
「はい……私は…話せる事は話しましたけど……その…」
疑わしい。いつ裏切るかも分からないのは変わらないはず。みんなに不利になるような事はしないけど、事の展開によっては離れるかもしれない。それでも、信じて欲しいの。
「…分かりました」
返事をして指輪を再びポケットにしまう。賭って言ったのは術が発動するかどうかもだけどジェイドが持ち歩いてるかってのもあった。持っていてくれて助かったよ。
「陛下、仰せつかった物をお持ちしました」
「おお、悪いな」
扉をノックして入ってきたマルクト兵。手には何か包みを持っている。兵士はそれをピオニーに手渡して出て行った。「真咲」と名を呼ばれるのと同時に包みを私に放り投げる。
「これは?」
「お前の新しい軍服だ」
包みを開ければ確かに真新しい軍服が入っていた。
「そっちの部屋で着替えてこい」
と、指差した先はピオニーの私室。いいんですか?と尋ねれば、おうと二つ返事だった。このままの姿なのもなんだしお言葉に甘えよう。
「では、少し失礼します」
私はソファーから立ち上がり、貰った軍服を持ってピオニーの私室に入る。