23話 私と陛下と懐刀…
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「アッシュは『イオン』様から聞いたと言ってます」
「導師から?お前の話じゃ導師はアッシュより知らなかったんだろ?」
そう。イオンから聞いたのは私の前世がユリアと敵対していて力を封じられて飛ばされたこと。名前や素性に関してはアッシュが教えてくれた。それが分かったのかジェイドが目を見張る。
「まさか……あなたの言っているイオン様は?」
「ジェイドさんの想像通りです」
デオ峠でイオンのことに確信を持ったジェイドなら分かるはずだ。ここで隠しても仕方ないので私は頷いて答える。
「アッシュのいうイオンは『被験者イオン』です」
「被験者って……導師もレプリカなのか!?」
私の言葉にピオニーは更に驚きの声を上げ、私ではなくジェイドを見る。その事実を知るの者は数少ない。アリエッタ以外の六神将やヴァンにモース。ある程度以上の階級の者……そしてフォミクリーの発案者であるジェイドと全てを知る私。ピオニーが知らなくても仕方ない。
「ええ……知る者は少ないですが」
ジェイドは一度眼鏡の位置を直してポケットに手を入れる。私も最後にもう一つ伝えなければ。
「……二千年の時を経て"千里の力"を持つ者、再びオールドラントに現れる。"千里の力"を用いて預言を覆すだろう」
ぽつりと呟く。私の呟きにジェイドとピオニーが顔を向ける。それは?と聞いてきているよう。
「ユリアの隠蔽預言です…私のことですね」
二千年の時……今この時代に私は来た。こんなの私は知らないのに、でも私はここにいて力を持っている。話してしまうと楽なのに言葉にすると不安になる。オールドラントの人間だと言われてもやっぱり私は異世界の人間で一人なんだと思わされるよう。それでも私はこの結末に納得できない……だからみんなと一緒について行きたい。ヴァンを野放しにはしておけない。この事はユリアも分かっているのに阻止しようとしない。そして私は彼女の預言通りにオールドラントにやって来た。