23話 私と陛下と懐刀…
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「真咲・霧島です…その、あの……」
何を言っていいのか分からない。傷付いた兵士を助けるのに精一杯で他の事は考えていなかった。名前はジェイドが言ったし私も名乗ったし……あとは?あとは何を言えばいいの?初めまして?そうだね。互いに名前は知ってても初対面なんだから挨拶はしないと。けど私は……
「…せっかく頂いた軍服…ダメにしちゃいました」
なんて言ってしまった。あ、れ?思わず訳の分からないことを口走ってしまう。ジェイドもピオニーも目を丸くして私を見ている。うぅ~穴があったら入りたいです。いや、いっそひと思いに抹殺して欲しい。挨拶するはずが軍服のことを言ってどうするのだか。ああ、もうジェイドなんか呆れてるし。ここにアニスがいなかったことがせめてもの救いなのかも。
「ぷっ……はははははっ!面白い奴だな、新しいなんていくらでもやるよ」
豪快に笑いながらそう言って私の前まで来る。面白いって……この年で言われても嬉しくも何ともないです。
「お前が真咲か。ジェイドから聞いている」
間近で見るピオニーはやっぱりカッコいい、が第一印象。第二印象はやっぱりピオニーはピオニーだった。何だろう、言い方は悪いけどゲームの中のピオニーのまんまで安心する。
「お前のおかげでアクゼリュスの多くの民が助かった。礼を言う」
「そ、そんな!私は……崩落を知っていて防げなかった罪人です!」
笑顔から真顔へと変えて私に頭を下げるピオニー。でも私はすぐに首を振り、真摯な態度を取るピオニーから一歩後ずさる。
「ですが、多くの民が助かったのは事実なのですよ?」
私が否定をするとジェイドが再び顔を覗き込んでくる。確かにアッシュの報告でほとんどの人が助かったって聞いたけど、私がもっとしっかりしてれば街は消えることがなかった。殺されなくてもいい人もいたんだ。全ての元凶はヴァンじゃない…私だ。私自身の傲慢が招いたんだ。