23話 私と陛下と懐刀…
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「こちらはローレライ教団の!導師イオンであらせますよ!」
「いえ、これが罠とも限りません。たとえ、ダアトの方でもお断りします」
片手をイオンに向けて広げて言うアニスに兵士は首を振った。ぶーぶー言うアニスにイオンが「仕方ありません」と制する。導師と言えどもマルクトの者ではないからなんだろうな。ピオニー陛下なら気にしないだろうけど、そこはきっちり平等にしなければ示しがつかないと言ったところだろう。
「私と真咲が陛下にお会いできれば、すぐに通行証をくださいます」
「それまでここに置いてきぼりか。まぁ仕方ないさ」
苦笑を漏らすジェイドにガイが肩を竦め、ルークは小さく「ちぇ」と言う。まぁ森の中で待ちぼうけってのも暇だしね。正直これを言うのは勿体ないというか、なんて言うかなんだけど……それでも私はジェイドに振り返ってこう言った。
「あっ、私もここに残ります。何かあったときに私の名前が使えるかもしれないですし」
ピオニー陛下には会いたいけど、元々残るつもりだったし。まさかの階級もついてたし。この後、マルクト兵が六神将に襲われてガイがカースロットに掛かってしまう。なら、それを阻止するに越したことはない。死ぬと分かっていて無視するわけにもいかない。助け出せるタイミングさえ分かればなんとかなる……と思う。シンクとラルゴに勝てるかって言われたら無理だろうけど。
「まぁ……いいでしょう。では頼みましたよ」
少し間を置いて言い、ジェイドはそのまま森の中に入っていった。あっさりと許可をくれるとは思わなかったな。みんなと一緒だからかな?
「(……はぁ、自覚したら心配で仕方なくなるなど……私らしくありませんねぇ)」
森の中を一人歩きながら思う。前々から目の離せない所はあったが、真咲への想いを自覚してしまえばどんな事も心配になる。今も一緒にグランコマに来て欲しかったがああ言われては仕方ない。小さく溜息を吐きながら森を抜けていった。